タケ亜科の分類・特徴(宮城県に分布する、または可能性のある種)・同定の目安(元資料-森俊氏作成を改訂)    2013.8.31  滝口政彦
 資料:目録は「宮城県植物目録2000」(2001)、チェは「北本州産高等植物チェックリスト」(1991)、11は「宮城県維管束植物チェックリスト2011」、「日本の固有植物」(2011)
 特徴は主に「日本タケ科植物図鑑」(1996)によるが、アズマザサ属は小林の説を加え、和名は主に「日本維管束植物」(2012)による。(表の表示 ○:有毛 ×:無毛 −は無毛か毛があり、●:分布点あり)
T.ササSasa属の検索ー肩毛全体毛、1節から1本分岐 
 1.チシマザサ節 上部で分岐、稈鞘は節間の2/3
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 チェックリスト  日本の固有植物 備考(採集地・変種・特徴等) 標本
チシマザサ     (ネマガリダケ)  ×光沢 × ×(長毛散生―サヤゲチシマザサ) 奥羽山系、宮戸 11あり 分布図なし 変種サヤゲチシマザサ―桿鞘に長毛散生         
ナガバネマガリダケ ×光沢 × × なし なし 宮城● チシマザサの変種 葉が狭く、先がだんだん尖る ×
オクヤマザサ    (○軟毛) × × 仙台、笹谷、角田 11あり 分布図なし 光沢なし  小林(2011)はチシマザサ―チマキザサ複合体とした
エゾミヤマザサ ○開出細毛 ○逆向き細毛密生 なし なし 分布図なし 本州北部日本海側分布(鈴木)                小林(2011)はチシマザサ―チマキザサ複合体とした ×
カワウチザサ 軟毛密生 × ○開出長毛密生 なし なし 分布図なし 本州北部日本海側分布(鈴木)                小林(2011)はチシマザサ―チマキザサ複合体とした ×
アキウネマガリ × × ○開出長毛 なし 11あり 分布図なし 秋保(庄子邦)、花山(米倉ほか)・(庄子邦)、青葉区青下(近藤邦・米倉)小林(2011)はチシマザサ―チマキザサ複合体とした
アサカネマガリ ―(長毛・細毛) ○開出長毛と逆向き細毛 なし 11あり 分布図なし 本州北部希に分布(鈴木)                 小林(2011)はチシマザサ―チマキザサ複合体とした ×
 2.チマキザサ節 下部で分岐、稈鞘は節間の1/2-2/3
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 分布 日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
チマキザサ × × × 全般 11あり 分布図なし 変種ルベシベザサ―葉狭く、長楕円状披針形○
シナノザサ     (クマイザサ) ○軟毛密生 × × 全般 11あり 分布図なし 変種ミナカミザサ−先端が急に尖る 
ケザサ × ○短毛 ○逆向き長毛・細毛密生 なし なし 新潟・石川のみ● 日本海側 ×
フゲシザサ × ―(うすい細毛) ○逆向き細毛 なし チェあり 岩手● 日本海側 花山(大橋ほか)
ヤヒコザサ ○軟毛 ○(無毛−シコタンザサ、イワテザサ) ○逆向き短毛か細毛密生 角田 11あり 岩手・福島● 変種オゼザサ−葉先急に尖る○                     変種シコタンザサ−毛が少ない一型                 変種イワテザサ―葉の先端急に尖る
クマザサ × × ○開出長毛 逸出 11あり 宮城● 変種チュウゴクザサ−葉の先端が長い○               変種オオザサ−葉が広く、先端が長い○    
オオバザサ ○軟毛密生 × ○開出長毛 奥羽山系、角田 11あり 分布図なし
クテガワザサ × ○  ○開出長毛と逆向き細毛 なし チェあり 岩手・福島・山形● 白石市弥太郎山(上野雄・滝口)、花山峠(滝口)
ミヤマザサ ○軟毛密生 ○開出長毛と逆向き細毛 大内 11あり 分布図なし 変種ウスバザサ−薄い紙状皮質、先端急に尖る           ミヤコザサ-チマキザサ複合体と誤認もある
 3.ミヤコザサ節 下部で分岐、稈鞘は節間の1/2-2/3、節は球状に膨らむ
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 チェックリスト  日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
ミヤコザサ ○軟毛密生 × × 太平洋側 11あり 宮城● 節が球状に膨らむ
センダイザサ    (オオクマザサ) ○軟毛密生 ○開出細毛 (無毛-ニッコウザサ) ○逆向き細毛 太平洋側 11あり 宮城● 変種ビロードミヤコザサ●―葉鞘、桿鞘極端に毛が多い○  変種アズマミヤコザサ●―葉鞘に毛なし              変種ニッコウザサ―葉鞘毛なし○                   小林(2011)はミヤコザサ-チマキザサ複合体とした シナノザサに似るが、横に寝る、輪ゴム状に曲がる
コガシザサ     (ユカワザサ) × ○(無毛-ナスノユカワザサ) ○逆向き細毛密生 なし なし 栃木のみ● 変種ナスノユカワザサ―葉鞘毛なし ×
タンガザサ ○軟毛密生 × ○開出長毛 中新田、仙台 11あり 福島・群馬県境●
アポイザサ     (ケミヤコザサ) ○軟毛密生 ○開出細毛(無毛-ビッチュウミヤコ) ○開出長毛と逆細毛 太平洋側 11あり 宮城● 変種ビッチュウミヤコ―葉鞘毛なし
 4.イブキザサ(アマギザサ)節 下部から特に上部で密に分岐、桿鞘は節間の1/2以下、節は球状に膨らむ
ミヤマクマザサ ○軟毛密生 ―(長毛疎生) × なし なし 埼玉まで● シナノザサ(クマイザサ)に似る。福島県植物誌にあり。 ×
トクガワザサ ○軟毛密生 ○(脱落) ○開出長毛 なし なし 栃木まで● オオバザサ、ミヤマザサに似る ×
イヌトクガワザサ × × ○開出長毛 なし なし 関西● クマザサに似る ×
U.スズザサNeosasamorpha属ー上部で分岐、稈鞘は節間の2/3以上(スズタケ属×ササ属と推定)
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 分布 日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
ヒメカミザサ × × × 仙南 11あり 岩手● 白石市北白川(今井)、青葉区青下(近藤ら)、丸森町筆甫・遠刈田・山元町上平(森俊)
ツクバナンブスズ ○軟毛密生 × × なし 11あり 岩手・福島● 大倉(庄子邦)、網地島(高橋和)、丸森町大内(森俊)
イナコスズ ○軟毛密生 × × なし なし 岩手● ツクバナンブスズの亜種―矮小型 ×
イッショウチザサ × ○上向き細毛 ○逆向き細毛 なし 11あり 岩手● 箟岳山(上野)
オモエザサ ○軟毛密生 ○上向き細毛 ○逆向き細毛 なし 11あり 岩手・福島● 丸森町次郎太郎山(森俊)
イブリザサ × ○逆向き細毛 なし なし 岩手● オモエザサの変種 ×
オオシダザサ × × ○開出長毛密生 秋保 11あり 岩手・福島● 青葉区青下(近藤邦他)、芋沢(上野雄)、白石市二ノ萱(庄子邦) 
ハコネナンブスズ ○軟毛密生 ―(長毛) ○長毛 仙北、仙台、仙南 11あり 岩手・福島● 角田市藤田(森俊)、折立・向山(庄子邦)
カガミナンブスズ × ○細毛と長毛 ○開出長毛と逆細毛密生 なし 11あり 宮城● 秋保(笹村)
タキザワザサ ○軟毛 × ○開出長毛と逆細毛密生 東和 11あり 岩手● 東和町(庄子邦)
チトセナンブスズ ○斜上毛と逆細毛 なし なし 岩手● タキザワザサの変種―豪壮型 ×
V.アズマザサSasaella属ー肩毛基部のみ毛、中・上部1−3分岐(ササ属×メダケ属と推定) [小林(2011)は1枝型と3枝型に分けた]
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 チェックリスト  日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
クりオザサ × × ×      1枝型 仙南、仙北、石巻 11あり 宮城● 鈴木(1996)はクリオザサとトウゲダケを同一種としている。
トウゲダケ × × (細毛)   3枝型 クリオザサの別名 クリオザサの別名 宮城● 青葉区新川(上野雄)、川内(木村有)、角田市横倉(森俊)      チシマザサ×アズマネネザサ?
サドザサ × ○長毛 × なし 11あり 宮城● 泉ケ岳(栗原健)、秋保(米倉)、白石市福岡(上野雄)
アズマザサ ○軟毛密生 ×(細毛-オオバアズマザサ) ×      1枝型 全般 11あり 宮城● 変種オオバアズマザサ(アオバヤマザサ) ―葉鞘に細毛○    ミヤコザサ×アズマネザサ?
ハコネシノ × ×      3枝型 なし なし 岩手● 鈴木(1996)はアズマザサと同一種としている。
アオバヤマザサ  (オオバアズマザサ) ×      3枝型 なし なし 岩手● 鈴木(1996)はアズマザサの変種としている。             小林(2011)はハコネシノの変種としている。 ×
スエコザサ ○軟毛 × × 一森山、三滝・青葉山 11あり 宮城● 縦にナマコ状しわあり
シオバラザサ ○軟毛密生 ○長毛 × 仙南 11あり 宮城●
ジョウボウザサ × × ○逆細毛、基部に長毛 なし なし 岩手・福島● 変種グジョウシノ-葉鞘に細毛密生     ×
ヒシュウザサ ○軟毛密生 ×(細毛-ミヤギザサ) ○逆向き細毛 全般 11あり 岩手●          (ミヤギザサ宮城●) 変種ミヤギザサ(ヤブザサ)−葉鞘に逆向き細毛○
カリワシノ × ○長毛    1枝型 なし チェあり(ヒメスズダケの別名) 岩手・関西の日本海側● 鈴木(1996)はヤマキタダケ・ヒメスズダケ・カワリシノを同一種としている。
ヤマキタダケ    (ヒメスズタケ) × ―(長毛) ○開出長毛 3枝型 なし 11あり 分布図なし(ヒメスズタケは神奈川のみ●) 秋保湯本(米倉)、太白区富田(滝口)、阿武隈山地馬船峠(秋山賢ほか) スズダケ×メダケ属?(小林)
タンゴシノ ○軟毛密生 × ○開出長毛 なし チェあり 分布図なし
ケスエコザサ ○軟毛密生 ○開出長毛 ○開出長毛 松島、白石 11あり 宮城● タンゴシノの変種
オニグジョウシノ × ○開出長毛と逆向き細毛 なし なし 富山のみ● ×
コガシアズマザサ ○軟毛密生 ○長毛・逆細毛 ○開出長毛と逆向き細毛 仙台、白石 11あり 宮城●
W.スズダケSasamomorpha属ー1節から1本分岐、上部で分岐、節平坦、稈鞘は節間より長い、肩毛なし 
葉下面 葉鞘 稈鞘 目録 チェックリスト  日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
スズダケ × ―(上向き細毛) ○長毛(逆向き細毛混) 全般 11あり 分布図なし 変種ホソバスズダケ−葉が薄く、小さく狭い○
ウラゲスズタケ ○細毛散生 ○長毛(逆向き細毛混) なし チェあり 岩手・福島● ×
ケスズダケ ○密生 ―(細毛) ○長毛(逆向き細毛混) 全般 11あり 宮城●
X.メダケPleioblastus属ー枝は1節から多数 ネザサ節ー肩毛は直立、毛なし
アズマネザサ   (ハコネダケ)  ×  ×  × 全般 11あり 宮城●
トヨオカザサ     (アオネザサ)  × ○上向長毛  × 大崎、石巻、 11あり 宮城●
シブヤザサ ○軟毛  ×  × なし なし 宮城● 本州太平洋側 ×
Y.ヤダケPseudosasas属ー枝は上部で1節から1本、肩毛はまれ、葉は大きい
ヤダケ  ×  × ○長毛密生 全般、逸出 11あり 宮城●
Z.オカメザサShibataea属−葉鞘は発達しない、桿は小型、肩毛なし
オカメザサ 軟毛密生 × × 逸出 11あり 分布図なし
[.ナリヒラダケSemiarundinaria属−中型のタケ類、桿鞘(竹の皮)は早落性
リクチュウダケ ○細毛 ×(時に基部に毛) 逸出 11あり 宮城● 岩手に多い
ナリヒラダケ × ×(基部にだけ逆向細毛) 逸出か植栽 なし 関東から西
\.マダケPhyllostachys属−中、大型のタケ類、桿鞘(竹の皮)は早落性
桿の節 葉鞘 稈鞘 目録 チェックリスト  日本の固有植物 備考(採集地・変種等) 標本
モウソウチク 隆起線1本 ○微毛密生 稈鞘に長毛が密生 なし なし 分布図なし
ホテイチク 隆起線2本 × × 逸出 11あり 分布図なし 桿の基部節間は奇形、短く膨れる
マダケ 隆起線2本 稈鞘は無毛 なし なし 分布図なし 稈の下部の枝の第1節は空洞
ハチク 隆起線2本 × 稈鞘にまばらに長毛 なし なし 分布図なし 稈の下部の枝の第1節は中実

ジャケツイバラ

マメ科(樹木)
Caesalpinia decapetala (Roth) Alston var. japonica (Siebold et Zucc.) H.Ohashi
植物観察ノート 宮城県
目次] [樹木] [引用・参考文献] [索引]
'15.5.25 山元町 植栽
'15.5.25 山元町
     植栽
'14.6.10 大衡村 万葉の森
  植栽
'15.5.25
山元町 植栽
         '14.6.10
大衡村 万葉の森 植栽
 【蛇結茨】
   茎がつる性で、曲
   がりくねっていて、
   あたかも蛇が結ば
   れて、とぐろを巻い
   たよう…。
  つる性落葉低木
  花期:4〜6月
  山野、河原
  本州(宮城・山形県
   以南)〜沖縄
 花:「茎の頂部の小枝の先に長さ30cmばかりの総
  状花序を出して、美しい左右相称形の黄色花をつ
  ける。…花弁は5、広い倒卵形、基部は短い花爪
  となる。後方の1花弁には赤線がある」。
 葉:「互生して2回羽状複葉となり、羽片は3〜8対、
  小葉は5〜10対で長楕円形、両端とも円形…多
  数の小さい明色の細点がある。また茎と同じく、
  先の尖った、下方に曲がったとげがでている」。
 茎:「多く分枝して、先の鋭く尖ったかぎ状の
とげが
  多
」い。
 樹皮:「灰褐色」。
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